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2025年04月04日 歯や顎の痛みはTCHが原因?🤔

普段、私たちの口の中では、上下の歯と歯は常に触れ合っているわけではありません。自然な状態では歯同士はわずかな隙間を保っています。
この状態が保たれていないと、歯や顎に痛みを感じることがあります。

今回は、そんな歯の接触=TCHについての理解を深め、どのように治療していくべきかを一緒に考えていきましょう。

TCHは(Tooth Contact Habit)の略で、上下歯列接触癖常に噛んでいる癖」を指します。
これは現代病の一つとして、私たちが無意識のうちに日常生活の中で歯をかみ合わせたまま過ごしてしまうことから起こります。

通常、口を閉じているときは上下の歯が接触せず、1~3mmの隙間があります。食事や会話の時のみ歯が接触するのが正常な状態です。
しかし、TCHでは安静時でも歯が触れ合っているため、脳がその状態に慣れてしまい、無意識に歯を食いしばる習慣がつきやすくなります。

◆舌の正しい位置/悪い位置

舌の正しい位置は、上顎の歯の後ろに軽く触れるように置かれます。
これが自然な状態で、歯や顎に負担をかけません。

一方、舌が下がったり、歯を押すような位置にあると、TCHを引き起こしやすくなります。

正しい舌の位置

舌の正しい位置は、上顎の口蓋(上の歯の裏側)に軽く触れる状態です。
舌は口の中で自然に広がり、歯に触れずに安定した位置にあるのが理想的です。
この状態は、呼吸や飲み込み、発音においても重要で、TCHを予防するためにも大切な役割を果たします。

悪い舌の位置

舌の位置が悪いと、下の歯に押し付けるような癖がついてしまうことがあります。
このような舌の位置は、歯と歯が無意識に接触する原因になり、TCHを引き起こすことがあります。
特に、舌が下がったままの状態や、舌が前に突き出すような癖がついてしまうと、上下の歯が安静時にも接触しやすくなり、無意識のうちに歯を噛みしめる状態が続くことになります。

◆TCHの方のお口の中

1. 歯の摩耗

TCHによって上下の歯が長時間接触していると、歯の表面に摩耗が生じやすくなります。
これにより、歯のエナメル質が削れ、知覚過敏やむし歯の進行を招く可能性があります。
また、エナメル質が薄くなると、歯が割れやすくなるなど、歯の健康に悪影響を与えることもあります。

2. 頬や舌の圧痕

TCHを続けていると、頬や舌に圧力がかかり、圧痕が現れることがあります。これらは歯が接触していることによる影響で、頬や舌の柔らかい組織に傷や跡がつくことがあります。
長期的に見ると、これらの圧力が原因で口内の痛みや不快感を引き起こすことがあります。

3. 骨隆起

骨隆起(こつりゅうき)とは、顎の骨が歯に接触することで過剰に圧力を受け、骨が変形して盛り上がる現象です。
TCHが続くと、顎の骨が歯の接触に対応するために形を変えてしまうことがあり、骨隆起が発生することがあります。この症状が進行すると、口腔内で不快感や痛みを感じることがあり、場合によっては治療が必要になることもあります。

◆ストレスや緊張

ストレスを感じると、無意識のうちに歯を食いしばったり、噛み合わせてしまうことがあります。
仕事や家庭での悩み、対人関係の問題など、精神的な負担が大きいときに顎に力が入り、TCHが引き起こされることがあります。
この状態が続くと、歯や顎に負担がかかり、痛みやトラブルを引き起こす原因となります。

◆不安や集中

仕事や勉強、スポーツなどに集中しているとき、不安感や緊張から歯を無意識に接触させることがあります。
特に、何かに集中しているときは、顎の力を緩めることを忘れてしまいがちです。

◆姿勢の問題

デスクワークやスマホの操作など、長時間同じ姿勢でいると、顎の位置がずれてしまうことがあります。
猫背や首の前傾姿勢が続くと、顎が前に出て、歯が接触してしまうことがあります。

TCHを防ぐための対策や治療法には、以下の方法があります。

1. ストレス管理

TCHはストレスが大きな原因となるため、リラックスする方法を取り入れることが重要です。
深呼吸やヨガ、趣味に時間を費やすことで、ストレスを軽減することができます。

2. 意識を持つ

日中、歯が接触していないか意識することが大切です。
もし気づいたら、軽く口を開けてリラックスしましょう。意識的に歯を接触させないように心がけることが予防に繋がります。

3. ナイトガードの使用

TCHが夜間に顕著である場合、ナイトガード(マウスピース)の使用が効果的です。
ナイトガードは歯への圧力を軽減し、歯や顎関節を守ります。歯科医院で相談し、適切なものを作成してもらいましょう。

まとめ

TCHは、日常生活の中で無意識に歯が接触してしまう習慣です。
これが続くと、歯の摩耗や顎関節の痛みなどの問題を引き起こします。
ストレス管理や意識的な予防が大切であり、ナイトガードや歯科での適切な治療を受けることが重要です。

自分の口腔内の状態に気をつけ、TCHを防ぐことで、健康な歯と顎を守っていきましょう。